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Q)「環境システム評価」とはどのようなものですか?
 
A)あまり聞き慣れない言葉かと思いますが、「環境システム評価」とは、私たちの周囲に存在する様々なもの(=環境)を一つのシステムと見なして、それが持つ価値を包括的かつ客観的に定めることを言います。ここで言う”環境”とは、”狭義の環境”(人や生物にだけ影響を与える対象。例えば、公害問題や廃棄物問題などの”環境問題”の環境)では無く、”広義の環境”(そのものを取り巻く外界。それと関係があり、それに何らかの作用や影響を与える対象(家庭や社会、意識など含む))を指しています。より多面的・多軸的な視座で物事の価値を定めることが、この「環境システム評価」の大きな目的です。

Q)「環境システム評価」の研究するためには、どのような学問を修めておく必要がありますか?
 
A)納富も、機械工学・熱工学を基本としながら、研究対象の広がりと必要に応じて、理学、工学、農学、林学、化学、経済学、社会学などを研究において駆使してきました。対象とする”環境”の特質を考えると、ある一つの分野や専門知識だけを修めておくのでは、結果的には十分では無いかもしれません。ただし、多くの知識や経験・専門性を身につけてからでないと、この類いの研究ができないのかというと、そういう訳でもありません。研究活動を進めながら、新たな専門分野の開拓、知識の習得などをおこなえば良いと考えます。
今の研究室でも、多種多様な専門性を持った学生さんが活動していて、日々新しい分野の知識や経験を積み重ねています。ただし、注意をするべき事としては、自分が学部時代に修めた学問(専門性)は大事にして、それを基盤として取り組む学問領域の幅を拡げてゆく事は求められます。大学院に進学をして”完全にリセット”という意識で臨むことは、一見チャレンジングな姿勢で喜ばれますが、実際は2年間という非常に短い時間の中で、修士論文研究を完遂する必要があることを考えると、あまりリスクの高いチャレンジはお勧めしません。

Q)研究室は理系ですか?文系ですか?

A)「環境・エネルギー研究科」という大学院名をみると、いかにも”理系”という印象を受けると思いますが、納富研究室・環境システム評価研究室は、いわゆる”文理融合のハイブリッド人材”を育成することを目的としていますので、理系分野を修めてきた人でも、文系分野を修めてきた人でも、進学にあたっては何も心配する必要はありません。自分が勉強してきた分野を基本としながら、それを発展させることと同時に、それ以外の分野の知識や経験を自分のものにしていくことが”環境”という学問を修めるためには不可欠です。それほど”環境”分野は幅が広いものですので、理文の分け方にこだわりを持ちすぎる必要はありません。

Q)研究活動をおこなうにあたって大切なことは何ですか?

A)目的を明確に設定すること、その目的を定める自らの動機を明らかにすること、論理的に計画を立案し、それを実行する勇気を持つこと。結果を恐れずにチャレンジをし、失敗をした場合は、その原因や理由をとことん考え抜く、そのような姿勢を持っていることが研究活動では大事だと思います。

Q)研究テーマはどのように決めるのですか?
 
A)研究の基本軸は「環境システム評価」です。その中でも、今は、自然資本や社会システムなどの価値を明らかにして、その価値向上を図ることを一つのゴールとしています。特に、”森林バイオマス資源の管理と利用”、”農地・森林の持つ多面的機能”、”非食糧系バイオマス資源のエネルギー利用”、”熱エネルギーの有効利用”、ということをキーワードとして研究テーマを設定しています。最近はそれに加えて、それらの持続性=”持続可能性”とはどのようにして定められるのか、ということを見極めたいという思いがあり、さらに本庄キャンパスを拠点として活動する研究室として、地域のイシュー(農業や林業、地域経済、地域社会システムにおける課題)を、多面的に調査・分析して課題を明らかにし、それに対する策を考案・実践することにも高い興味関心を持っています。
ただし、研究のテーマは、与えられたものを単に”こなす”だけでは全く意味がありません。研究イシューへの取り組みを自分ごととして扱い、自らの強い動機に基づいてテーマを設定・考究することを推奨します。そうすることによって、より真剣味のある研究活動ができるようになると考えます。

Q)学会発表などはおこなっていますか?
 
A)研究科の修了要件として、修士課程在籍中に必ず一度は学外での学会発表を経験することが求められています。本研究室では、日本森林学会大会関東森林学会大会日本LCA学会大会日本機械学会、各種国際会議(ASME-JSME Joint Conference、The 1st Asian Conference on Biomass Scienceなど)にて発表をおこなってきました。

Q)研究室での日常生活について教えてください。

A)研究室は、本庄キャンパスにあります。非常に自然が豊かで静かな環境にありますので、じっくりと物事を考えたり、時折リフレッシュできるなど、とても素晴らしい環境です。もちろん、近くには便利なショッピングモールや飲食店も数多くあり、生活の利便性も確保されています。
研究室では、修士課程1年時には週1〜2回のゼミ(各人1.5時間程度)を、修士課程2年時には、毎週、修論研究進捗報告会をおこなっています。M1ゼミでは、興味関心の有るテーマに関する基本的な情報の収集と整理からはじまり、それらを基にしたリサーチクエスチョンの明確化、研究計画の立案と基本調査等の実施までをタスクとしています。それらを発展させて、M2時にしっかりとした研究活動に臨むこととしています。M1ゼミでは全員がそれぞれのテーマで発表と討論をすることで、自身の関心事以外の事柄についても学び、より多くの視座を獲得できる場としています。
またこれ以外に、年5回程の大学セミナーハウス等でのゼミ合宿(時折、他研究室の学生さんも参加してくれます)、定期的な懇親会、なども催しています。
研究室は小さいながらもコミュニティです。故に、コミュニケーションを密にすること共同作業をおこなうこと、などを通じてコミュニティの中で果たすべき役割を経験し、チームワークをはぐくむとともに互助の精神社会性を会得・向上させることも大切にしています。そのような場となるように、研究室の活動を営んでいます。

Q)研究室には日本人以外の方(留学生)もいますか?
 
A)はい。これまで、インドネシア、タイから博士後期課程学生として、中国から修士課程学生として研究室に留学して研究活動に取り組んだ方々がいます。今後も、様々な意味で人間的な広がりを持てるように、海外出身の学生さんを積極的に受け入れたく思っています。修士課程は日本語でのコミュニケーションが必須ですが、博士後期課程での公用語は英語が基本になります。しかし日本に留学する意義を考えると、日本語もしっかりと理解して欲しいという願いもあります。

Q)研究室の学生さんの卒業後(修了後)の進路はどのようになっていますか?
 
A)卒業生のページを開設しました。皆さん、幅広い分野で様々な活躍をされています。専門分野を活かした進路を選択するも良し、学生時代に培った知識や経験を他分野で活かすも良し。皆さん、この大学院在籍中にしっかりとした自身の人生設計を考えていらっしゃるようです。

Q)研究内容、共同研究の可能性、研究室の雰囲気などについてもっと詳しく知りたいのですが?

A)下記の問合せフォームも利用して、気兼ねなく問合せください。特に研究室の雰囲気については、言葉ではなかなか伝わらない部分も多いですから、ご希望があれば研究室見学・直接お会いしての詳しい説明、その他、研究・進学・一般的なお悩み等の相談にも喜んで応じます。雰囲気について、強いて言うならば、時に厳しく、時に優しく、時に楽しく、といった感じでしょうか?(笑)

Q)研究室の学生さんは、研究以外で何か学外での活動をおこなっていますか?
 
A)大学院ですので研究をおこなうことが大切なのですが、過去には地域における様々な活動にも積極的に関わってもらってきました。例えば、地域で開催される運動会イベントに”環境教室”の出店をしたり、中山間地域における活動支援(ふるさと支援隊活動)で地域行事等に積極的に参加したりしてきました。人としての幅を拡げる経験、ひいてはそれが研究活動にも良い影響を与えるとの考えから、これからも積極的に課外活動をおこなっていきたいと考えています。

Q)どのような学生さんに進学して欲しいと思っていますか?

A)最近は、大学への進学率の高まりから、学部を卒業するだけではなかなか差別化が図れなくなってきていると感じます。もちろん、大学学部で専門性を身につけて、一日も早く社会で活躍したいという方も多いと思います。それでも、修士課程という、より”研究”という営みに重きを置く立場で時間を過ごすことは、その後の人生にも大きな財産になると思います。特に、論理性・コミュニケーション能力・問題解決能力などのいわゆる「社会人基礎力」のみならず、かけがえのない友人や知人との出会いも素晴らしい財産になります。将来にわたる人生設計を考える中で、研究という自分の責任を論理的に全うする経験をしてみたい多くのかつ様々な刺激や経験を得たいより自分自身を深く見つめてみたい、と思っている方は、自身の分野を問わず、一つの進路として前向きに考えて欲しいと思っています。

さて、進学して欲しいと思っている人物像は、あまり幅を狭めることはしたくありませんが、研究分野の面では、「バイオマスの利活用」をキーワードと基本として、それに興味関心を抱く方に進学して欲しいと思います。より具体的に言えば、「バイオマスの持続的な利活用」や「持続可能な森林管理」、「持続可能な農地利活用」など、本庄地域を中心とした営みに関係する諸課題にチャレンジする意欲のある方の進学を望みます。それらを対象として、負荷評価手法の研究であるとか、課題解決のためのソリューション提案とか、様々なアプローチがあると思います。